それにしてもカラスが多い。東京に来た第一日目の日に気づいたことだ。鳴く声が独特で、黒い翼を木の葉の影に沈めて、目を光らせている。どうしてカラス?神戸の家のあたりには夕方にはコウモリが飛び交っていたが、カラスは見られなかった。2、3日して訳がわかった。ゴミだ。 東京のゴミ状況はかなりシビアである。毎日毎日、分別で分けられた違う種類のゴミを、朝の8時までに出さなければならない。一週間は、ゴミを出すことによって始まり、ゴミを出すことによって終わる。カラスはそれを狙っているというわけだ。
神戸でも分別はあったが、ここまでシビアではなかった。アメリカ、メリーランド州ボルチモアの家では、とりあえずリサイクル(2つぐらいに分かれる)は週に2回、生ゴミその他は週に2回と決まっている。裏の庭の入り口にあるゴミ缶に入れ、しっかりふたをしておけば、次の日の朝とりに来てくれる。ゴミ缶に入れるので、前の日の夜に入れておくことも可能である。
東京は場所がなく、家と家の間が詰まっているので、一カ所に出しに行かなければならない。前の晩には出せない。もちろん分別しないより、する方がいいに決まっているが、なんとなくしょっちゅうゴミの事を考えていることになる。
マクロバイオティックな食生活に切り替えた友達が生ゴミの量は増えたが、他のゴミの量はぐんと減ったと言っていた。生ゴミならコンポストで土に埋められる。